弐.京の町

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後藤に説教されたのち、ひたすら歩いた滝はやっと京の町へとたどり着いたのだった。 「やったー!着いたー!!」 今までの疲れなど忘れ、飛んで喜ぶ滝。 目の前に広がるのは間違いなく京の町そのもの。 以前に後藤と来たのは、確か二年前とその前が三年前。どちらも季節は冬だったが、やはり京の町はどの季節でも人々のにぎわいは耐えない。 「やっとか、」 後藤も安堵する。 後藤は今までに何度も旅をしてきたが、何故かいつも滝との旅では事件が起こらない。 事件というのは、旅の途中で山賊や刺客、熊などに襲われるということである。 何故か滝といるとそれがない。 また、今回の旅でも今のところそういったものはない。……不思議なものだ。 (事件……は あいつ自身、ということか) 少し笑っていると、気付けば滝の姿がどこにも無い。振り向くもその姿は見えない。 「おい!滝ィ!」
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