弐.京の町

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(人混みの中にでも入って迷子になったか……。) あきれていると、 「後藤!一旦休憩しよう!」 ひょこっ、とすぐ横の茶屋から、片手に団子を持った滝が飛び出してきた。 「……ったく……」 あきれるにもほどがあるが、こうなれば仕方ない。疲れているのは後藤も同じである。 「阿呆か……」 そう言いながら、すたすたと茶屋へと入っていった後藤だった。 ……後藤はそのとき、気付きもしなかった。 人混みの中から一人男の視線が自分に注がれていたことを……。
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