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(人混みの中にでも入って迷子になったか……。)
あきれていると、
「後藤!一旦休憩しよう!」
ひょこっ、とすぐ横の茶屋から、片手に団子を持った滝が飛び出してきた。
「……ったく……」
あきれるにもほどがあるが、こうなれば仕方ない。疲れているのは後藤も同じである。
「阿呆か……」
そう言いながら、すたすたと茶屋へと入っていった後藤だった。
……後藤はそのとき、気付きもしなかった。
人混みの中から一人男の視線が自分に注がれていたことを……。
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