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夕日が眩しくなってきた。
もうすぐ日が暮れそうだ。
町の人々は家へと帰ってゆく。
旅の者たちなどは、この朱色一色に染まった京の町並を 美しい、とうっとりして眺めている。
さて、この男二人も旅の者であるが、この急ぎ用、どうやら夕日を眺める余裕もなさそうである。
「はぁ…はぁ……」
あの茶屋からどのくらい走っただろうか。
滝の息は既に上がっている。
こんなに遠いなんて、聞いてない。
こんなことなら、あんな勢い良く飛び出すんじゃなかったー…
そう思うが口には出せない。
きっと、かれこれ一時間以上は走っている。
後藤を方を見れば、奴、呼吸ひとつ乱すことなく無言のまま走り続けている。
何であんなに走れることやら。。
体力は限界に近いが、なんせ後藤が走るのだ、自分も走るっきゃない。
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