参.緒方の屋敷へ

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小さな橋を渡ると、正面には竹林、左右には道、遠くには鴨川が見えた。 後藤が立ち止まる。 「……どっちだ……」 滝はよろめくように立ち止まる。 きょろきょろと右と左の道を見る後藤。 「こっちじゃ」 すると、いきなり正面の竹林に飛び込んだかと思えば、がさがさと茂みを掻き分けながら進んで行った。 「はぁ!?」 たがここで立ち尽くす訳にもいかない。仕方なく、滝も後から必死になってついてゆく。 後藤はすぐに急斜面に出くわすが、ためらいもせず一気に駆け降りる。 駆け降りた先には道があり、どこかへ続いているようだ。 「待て!速い……!うわぁぁ!!」 後ろから滝の叫び声が聞こえることなど気にも留めず、また走り出す。
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