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小さな橋を渡ると、正面には竹林、左右には道、遠くには鴨川が見えた。
後藤が立ち止まる。
「……どっちだ……」
滝はよろめくように立ち止まる。
きょろきょろと右と左の道を見る後藤。
「こっちじゃ」
すると、いきなり正面の竹林に飛び込んだかと思えば、がさがさと茂みを掻き分けながら進んで行った。
「はぁ!?」
たがここで立ち尽くす訳にもいかない。仕方なく、滝も後から必死になってついてゆく。
後藤はすぐに急斜面に出くわすが、ためらいもせず一気に駆け降りる。
駆け降りた先には道があり、どこかへ続いているようだ。
「待て!速い……!うわぁぁ!!」
後ろから滝の叫び声が聞こえることなど気にも留めず、また走り出す。
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