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もう一つばかり竹林をぬけると、目の前には大きな屋敷が建っていた。
「ここじゃ!緒方先生の屋敷じゃ!」
後藤が叫ぶ。
屋敷の入口門には確かに〝緒方〟と書かれていた。
「やっと……」
遅れて到着した、疲れ果てた滝は倒れ込むようにしてその場に座り込む。
肩で息をしながら、
「後藤お前……こんな道があるの知ってたのか?」
「知らんかったけんど、普通に行けば日が暮れて間に合わんじゃろ」
こちらを仁王立ちしながら振り返る。
「そしておまん、なんじゃその格好は」
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