参.緒方の屋敷へ

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もう一つばかり竹林をぬけると、目の前には大きな屋敷が建っていた。 「ここじゃ!緒方先生の屋敷じゃ!」 後藤が叫ぶ。 屋敷の入口門には確かに〝緒方〟と書かれていた。 「やっと……」 遅れて到着した、疲れ果てた滝は倒れ込むようにしてその場に座り込む。 肩で息をしながら、 「後藤お前……こんな道があるの知ってたのか?」 「知らんかったけんど、普通に行けば日が暮れて間に合わんじゃろ」 こちらを仁王立ちしながら振り返る。 「そしておまん、なんじゃその格好は」
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