壱.始まり

4/6
前へ
/24ページ
次へ
「何!?先生!?そんなの聞いてない! ……嫌だ!私は早く休みたいんだ!」 そんなの知るかよ、というような顔で滝は文句ばかり言い始めた。 遂には後藤に置いていかれる始末である、 「……ちょっと待て……、早いっ、」 遠くに行ってしまった後藤を走って追いかけてゆく。 「なんでそんな早……」 追い付いたかと思うや、 今度はぴたりと足を止めた後藤、振り向き滝を睨みつけるいなや、 「おまんは阿呆か!先生に会うために京まで行くがじゃ!!おまんはな、何でそういう根本的なとこからわかっとらんのか…!…普通なそういうことを知った上で来るもんじゃぞ、ああ!?」 ひたすら怒鳴り続ける後藤。 少しの間、説教されてしまった。 説教ののち、 「……わかったよ、会いに行けばいいんだろ、会いに行けば……。」 むすっ、としている。 それに益々いらだつ後藤だったが、もう飽きれかえってしまった様子だった。 ため息ひとつ。 「……何でおまんみたいな奴を大殿様は何でまた選んだんじゃ……」 、とぼとぼと歩き始める。 滝もついて行く。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加