眩しすぎる光

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その時だった。 「ぎゃあ!!」 外に居た仲間が、突然悲鳴を上げた。 何事かと男達は手を止め、一斉に振り向く。 「何だ!?」 薄暗い倉庫に、砂利を踏む音が静かに響き渡る。 出入り口に目を向けると、ほんのりと白い人影が、ゆっくりと此方へ歩いてきて、白熱灯に照らされる。 金色の髪は白熱灯の光に照らされ、青い瞳が静かに男達を見据える。 白いマントに身を包み、この国には不釣り合いな出で立ちをしている。 「誰だ、テメェ!!」 男達はナイフを取り出し、身構える。 金髪の青年が、身を包んでいるマントを払うと、左手には両刃の剣が握られていた。 「その方を、離してもらおうか」 剣を刃を向けるも、男達はナイフを下ろす素振りを見せない。 すると、一番後方にいた男がリントを掴み、首元にナイフを突き付ける。 「っ…!」 「剣を下ろせ!! このガキを殺…!!」 その途端、青年が一気に走り出し、男達に向かって突進する。 手前の男が切りかかるも、振り上げた剣の柄尻を器用にナイフにぶつけ、弾き飛ばす。 「あ…!?」 呆然とした刹那、がら空きになった懐に蹴りを入れられ、嗚咽しながら倒れる。 地面にドサリと倒れると同時に、青年は次の標的に目を向ける。 瞬く間に男達が青年に倒され、遂にリントの元に辿り着く。 「ひっ」という短い悲鳴の直後、頭に回し蹴りを食らわせられ、敢えなく卒倒する。 一瞬の出来事だった。 さっきまで自分を取り囲んでいた男達が、あっという間に倒された。 何が起きたのか、リントにも理解出来なかった。 青年は剣を鞘に納めると、膝を着いてリントと同じ目線にまで跪く。 何をされるのかと思い、リントは青年を睨み付け、身構える。 「何だ…、お前…!」 警戒を解かないリントに対し、青年は青い瞳で見つめてくる。 そして。 「貴方を探していました。リント様」
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