295人が本棚に入れています
本棚に追加
/303ページ
街に出ると、朝の市場は終わっており、閑散とした道となっていた。
いつも歩いている道を歩くが、今日は違っていた。
前をリントが歩き、その後ろからはフェイリルが付き従うように歩いている。
今までに無かった光景に、道行く人は怪訝な顔をする。
「何処へ行かれるのですか、リント様?」
「外で様付けすんな!! 周りが変な目で見るだろ!!」
確かに、人前で様付けをすると、どんな関係なのかを怪しまれる。
リントは足早に目的地に向かうが、フェイリルを足早にリントの後を付いて行く。
― あ゙~、畜生…!
一度立ち止まると、フェイリルも同じように立ち止まる。
暫く佇んだ直後、リントは猛ダッシュで走り出した。
「あ、リント様!!」
フェイリルは追い掛けるが、リントの方が足が速く、あっという間に姿を消した。
最初のコメントを投稿しよう!