隠された素顔

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街に出ると、朝の市場は終わっており、閑散とした道となっていた。 いつも歩いている道を歩くが、今日は違っていた。 前をリントが歩き、その後ろからはフェイリルが付き従うように歩いている。 今までに無かった光景に、道行く人は怪訝な顔をする。 「何処へ行かれるのですか、リント様?」 「外で様付けすんな!! 周りが変な目で見るだろ!!」 確かに、人前で様付けをすると、どんな関係なのかを怪しまれる。 リントは足早に目的地に向かうが、フェイリルを足早にリントの後を付いて行く。 ― あ゙~、畜生…! 一度立ち止まると、フェイリルも同じように立ち止まる。 暫く佇んだ直後、リントは猛ダッシュで走り出した。 「あ、リント様!!」 フェイリルは追い掛けるが、リントの方が足が速く、あっという間に姿を消した。
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