眩しすぎる光

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裏道を使って辿り着いた場所は、古びた建物。 その建物の3階の角部屋に、リントが生活する部屋があった。 鉄製の扉を開けると、先ずキッチンが広がる空間に入り、その奥にリビングがある。 だが、そこはリビングとは言い難い空間で、隅にベッドが1台と、ちょっとした棚が置かれただけの殺風景な部屋となっていた。 リントはベストを脱いで、壁掛けのフックに掛けると、ベッドに倒れ込む。 「疲れた…」 そう呟くと、リントは目蓋を閉じ、静かに寝息を立て始めた。 国の外れ。 入国する際に通る検問所に、煤けた白いマントを頭まで被った人物が、門番に何の断りもなく国に入る。 門番は壁に凭れ、大きな鼾をかいて眠っており、足音で少し目を覚ますが、また直ぐに眠ってしまう。 「警備が薄い…。それほど、この国に関心は無いと言えるか…」 眠る門番に目をやると、白いマントの人物はその場を後にした。
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