眩しすぎる光

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道に出ると、人の姿は殆ど無かった。 時刻は夜の6時になろうとしているが、土地の関係上、暗くなるのが早かった。 それに国が夜の闇に包まれれば、ギャングや犯罪者が蔓延る危険な国となる。 家や身を寄せる場所がある者は、大抵はこの時間になると帰るようにしている。 夜になれば、最悪の場合、命の危険に晒される。 こんな危険な街に、リントは軽装で赴いていた。 余計な音がしない街で、砂利を踏む音が建物に反響する。 恰(アタカ)も“自分は此処にいる”と主張しているようだ。 だが、リントはそんな事はお構い無しに何度も夜の街に出て、過去に何度もギャングを相手に戦った事もあった。 多少の傷を負うものの、自分だけの力で何とかする力量は備わっている。 また何かあれば相手をして、動けない程度に痛めつければいい。 余裕の反面、何処か軽はずみな気持ちを、リントは持ち合わせていた。 自宅から歩いて数分の所に行き着けの酒場があり、リントはいつもそこで食事を摂っている。 ポケットに手を突っ込み、曲がり角に差し掛かった時だった。 突然、目の前の道を阻まれ、直後に背後から目隠しをされる。 「っ…!」 咄嗟に反応したリントは、先ず目の前を阻む何かを蹴り飛ばす。 「ぐわっ!」と短い悲鳴が上がった直後、次は右腕の脇を締めて、背後に居るものに肘打ちを食らわせる。 「ぐっ…! この、ガキ…!!」 怯んだ隙に目隠しを外し、解放された視界で周りを見渡す。 昼間に追い掛けて来た男達らしく、見覚えのある顔の者達だった。 「何のつもりだ、テメェら」 リントは近くにいた男の胸倉を掴み、問い詰める。 だが、その時だった。 鈍い打撃音が耳元で聞こえ、同時に後頭部に痛みが走る。 ― マズイ…! 視界がグラリと歪み、リントは意識を失った。
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