うさぎの耳はちぎれない

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夢が途切れた。 工藤裕太は飛び起き体をまさぐった。 欠けている部分はない。 「夢、か…」 自分に暗示をかけようと呟いてみるが、腕の震えがおさまらない。夏でもないのに汗が滴る。 「夢だ。」 言い切ると、少しは震えが収まった。 そうか、五月上旬の気温を少しなめていたんだ。毛布を蹴飛ばし、ベットから降りる。 「裕太!ご飯!」 母親の怒鳴り声は頭の中の夢の残響を振り払うには充分だった。
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