うさぎの耳はちぎれない

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「なぁ、裕太。知ってる?」 教室につくなり、友人川口の声がかかった。 何が、と聞いたら話しが続く。知ってる、 と適当に返して席についた。 「知らないだろ」 「うん、知らない」 「知ったかぶりかよ」 他人の思考はわからんから、知ったかぶりにもなるだろ。というか、一時間目のテストの準備をさせてくれ。 「連続殺人鬼、この町にいるかもなんだとよ」 「へぇ、」 「なんだ?その反応」 同じ町にいるからってなんだ?すれ違うやつら全員を疑えってか?精神の無駄使いだ。もしかしたら、俺が殺人鬼かもしれないぞ? 「お前、ひねくれすぎ。」 「川口が素直すぎるだけ。」 「いいじゃん。まっすぐな男はモテるぞ」 「バカ、」 股間を示してふざける川口に笑っていると、チャイムが鳴った。
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