1179人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
僕は誰かと真っ暗な道を歩いていた。
なんで誰かなんだって?暗くて顔すらわからないんだ。
コツ………コツン………。
あまりの静けさに息が詰まりそうになる。
―――と、いきなり耳をつんざく爆音が聞こえた。
ズバッン!
隣の人影が宙に浮き………ドシャッと地面に落ちた。
「おぃ!大丈夫ですか!?」
必死に意識を失わせないように大きな声で言った。パニクって出ちったのかも知れないけど。
黒い人影は、俺の二の腕をギュッと掴んだ。
「いつっ!」
とても撃たれた人間とは思えないくらいの力だった。
そして、僕は【彼】と目が合った。
(お前が俺を殺したんだ………!)
「!?………違う。僕は殺してなんかいない!」
実際には【彼】は喋ってなどいなかった。彼の瞳がそう言っていた。
(死にたくない。助けてくれ!お願いだ!)
そう[言って]、彼は頭をガックリと垂らした。
「違う………僕は殺してなんかいない………。」
死体にビビった訳じゃない。
自分の精神を少しでも落ち着けようとして。
パァンッと音がして、目の前が真っ暗になった。
最初のコメントを投稿しよう!