プロローグ

2/2
1179人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
僕は誰かと真っ暗な道を歩いていた。 なんで誰かなんだって?暗くて顔すらわからないんだ。 コツ………コツン………。 あまりの静けさに息が詰まりそうになる。 ―――と、いきなり耳をつんざく爆音が聞こえた。 ズバッン! 隣の人影が宙に浮き………ドシャッと地面に落ちた。 「おぃ!大丈夫ですか!?」 必死に意識を失わせないように大きな声で言った。パニクって出ちったのかも知れないけど。 黒い人影は、俺の二の腕をギュッと掴んだ。 「いつっ!」 とても撃たれた人間とは思えないくらいの力だった。 そして、僕は【彼】と目が合った。 (お前が俺を殺したんだ………!) 「!?………違う。僕は殺してなんかいない!」 実際には【彼】は喋ってなどいなかった。彼の瞳がそう言っていた。 (死にたくない。助けてくれ!お願いだ!) そう[言って]、彼は頭をガックリと垂らした。 「違う………僕は殺してなんかいない………。」 死体にビビった訳じゃない。 自分の精神を少しでも落ち着けようとして。 パァンッと音がして、目の前が真っ暗になった。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!