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「ん?今日って席替えだったの?」
「ちょっと、あんた今朝の担任の話聞いてたの?」
「いえす~すみませんしたっ!」
元気に返事をする友人と呆れる私。
えへへ~と頭をかく私の友人はふわふわしていて天然だ。
それはぶりっ子などという偽りのものでなく素であるため
女子には可愛がられ、男子にもてる。
まあ、ごく少数の人はよく思ってない奴もいるようだが
そんな私の自慢の友人は、栗源百乃(くりもとももの)という
なんて可愛らしい名前なのだろうか
彼女とは小学生の時から一緒である
目つきも悪いし、口も悪い。その上愛想がない私とは真逆の存在だというのに彼女はこうして笑っていてくれる。
それはとても嬉しくて、ありがたいことなのだ
「ん~席離れちゃうかもね~~」
「そうだね。でも、席替えはくじみたいだし。その分近い可能性もあるんじゃないの」
頬杖を突きながら席替えの時を待つ
わずかな不安と希望に引っ張られながら担任からくじを渡される
まあ、多分悪いけど私は
きっと百乃の隣にはならない
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