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「げっ…」
顔を見た瞬間私の蹴りの構えも怒りも引いていた
目の前にいるのはもう一人の幼馴染
認めたくないがなんだかんだで幼稚園からの付き合いだ…
河相春夜(かわいしゅんや)
彼は百乃に一途に恋をしている
思いを告げたのは小学生の頃らしいが、どうやら幼かったせいで百乃には冗談にとられてしまいそれからは告白ができていないらしい
そこで立ち止まってろチキンが
そんなんで私の親友を奪えると思うなよ
「俺お前の斜め後ろだぜ?よかったな!」
「まったくよくない!死ね30回くらい」
そういって私は春夜の足をおもいきり踏んだ
「いってえ!!!!!何すんだこの…」
「わあ!おりの後ろだ~」
春夜が手を出す直前
百乃が両手を上げて万歳をしてぴょんぴょんと跳ねながら言った
「しゅんの隣だよ?」
ニコニコとしている百乃を見たおかげか春夜はご機嫌な表情で
「ああ!やったじゃねえか!!!幼馴染がそろってよ!」
と腕を組み堂々と言ったが
お前は百乃の隣になれてよかっただけだろ
ところで、これはどういうことだろうか
ついに私にも運が回ってきたのか?
他の男子に比べればなじみのある春夜
大好きな友達の百乃
どこからどう見ても最高の席じゃないか
小さなことだが大きな一歩だ
運がめぐってきたということはきっと私も不運脱出
良い高校生活を送れそうじゃないか
ふふんと満足そうに席に座った時
ガタ
私が座った直後に私の隣になる男子が来た
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