お屋敷

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「着いたぞ」 下を見るのが怖くて閉じていた目をそっと開ける。 フワリとゆっくり地面に着地して、降ろされる。 風景はがらりと変わり、目の前には洋風のお屋敷が建っていた。 「ここ、日本ですよね…?」 「そうだが…何か?」 その人は眉をよせ、顔を軽く傾ける。 あまりにも場違いな気がして、つい聞いてしまった。 と、ゆっくりその人の手が胸元に伸びてきた。 びっくりして、胸元をサッとクロスしてガードする。 「な、な、なんですかいきなり」 「?そのネックレスの鍵を渡して欲しいんだが」 「あ、はい…」 とんでもない勘違いをして多分赤くなっているであろう顔を背けながら、首からネックレスを外す。 その人は鍵の部分をじっと見て、そして握った。すると、鍵が淡く光り修飾部分の形が変わった。 「きれい…」 「…この鍵はこの屋敷のなんだか、特定された奴だけが使えて、細工がしてある」 その人は鍵を扉の鍵穴に差して回す。カチッといい音が鳴った。 ゆっくりとドアが開かれる。 少しずつ高鳴っていく鼓動を感じながら、中に入った。 「わぁ…!」 目の前にある風景に感嘆の声が漏れた。 そこは予想以上に綺麗でまるでどこかのお城のような 内部だった。 そういえば、と思い後ろに立っていたファクトさんを振り返る。 「なんでここの鍵が私のネックレスの鍵だと思ったんですか?」 「…話は中に入って落ち着いてから話す」 ファクトさんはそう言いながら、奥に入っていった。
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