5人が本棚に入れています
本棚に追加
(何て言えばいいのか?)
二人の頭の中は、その事で一杯だった。
翼は言い訳を、奏は話題を考えていた。
しばらくして、奏が先に口を開いた。
「つばさ…その…」
奏は戸惑いを隠せなかった。
その様子をみて、翼は焦った。
何か、確実に言わなきゃならない。
翼は奏が次に何を言うか分かっていた。
しかし奏は、翼の予想を反した。
「カフェで話そうか?色々聞きたいし…それにちょっと肌寒いしね」
カフェに着くと、色んな人が見てきた。
深夜近くに中学生の男女二人はさすがに危なかったが、今はそれどころではない。
翼は悩んだ。
それだけ、この事に奏を巻き込みたくはなかった。
先ほど、寒いと言った奏は温かいスープを頼んでいた。
まだ下を向いて、考えている翼をみてどれだけ深刻なのかがわかった奏は、翼に考える時間を与えている様子だ。
最初のコメントを投稿しよう!