~#01.『現代世界』と『ロンリネンス』~

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「で、聞きたいことって?」 唐突に口を開いたのは翼だった。 語尾が上がりそうになるのを必死に押さえ、平静を装おった。 しかし、どうしても語尾が上がってしまった。 翼が動揺している証拠だ。 「うん、その…どうして壁から?」 語尾が軽く上がっていることに、奏は気が付いた。 動揺していることに気付かないフリをした奏は、翼と同じく下を向いてしまった。 「その…あの…」 一方の翼は、焦りが増していった。 本当のことを言うべきか、嘘をつくべきか… 奏は幼馴染みのため、翼の嘘をすぐに見抜いてしまう。 (嘘はつけない…のか…)
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