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「で、聞きたいことって?」
唐突に口を開いたのは翼だった。
語尾が上がりそうになるのを必死に押さえ、平静を装おった。
しかし、どうしても語尾が上がってしまった。
翼が動揺している証拠だ。
「うん、その…どうして壁から?」
語尾が軽く上がっていることに、奏は気が付いた。
動揺していることに気付かないフリをした奏は、翼と同じく下を向いてしまった。
「その…あの…」
一方の翼は、焦りが増していった。
本当のことを言うべきか、嘘をつくべきか…
奏は幼馴染みのため、翼の嘘をすぐに見抜いてしまう。
(嘘はつけない…のか…)
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