~#01.『現代世界』と『ロンリネンス』~

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翼のクラスでは、もう大半の生徒が帰っていた。 翼は自分の学校指定のカバンに、顔を埋めて嘆いていた。 ブツブツ言っているのをみたら、分からない人は恐らく、逃げるだろう。 「つばさ、帰ろう!」 声をかけられ、我に返った翼は「そっか…3時間授業か」と独り言を呟いた。 翼はカバンを持ち、立ち上がった。 「悪るい、ちょっと用事あるから先帰っててくれ」 と言いながら奏に、「ごめんな」と謝った。 「そっか…わかった。じゃあまた明日」 奏は手を振って「バイバイ」と言いながら、迎えに来た車で帰っていった。 「相変わらず、高級車で帰るのか…」 翼はそう呟きながらカバンから、錆びた古い鍵を取り出した。 そして帰り道ではなく、学校の屋上に向かった。
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