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電話の主はうちの社長、東雲 冴子(シノノメ サエコ)さん。
昔、10代でデビューしたアイドルだったらしい社長は24歳の時に電撃引退。その後、今の事務所を設立しいくつかのアイドルの卵を育て、デビューさせている。
「ふぅ…、まぁいいわ。それより今どこ? 学校には居るのよね?」
危うくまた休みなしで働かさせられるところだった。
まぁ、ふざけた僕が悪いのだけれど……。
またグループの皆に愚痴られるよ。
「はい。さっき着きましたけど」
「そう。なら学園長室に行って頂戴。今しがた学園長先生から電話があって、あなたに伝えたい事があるそうよ」
学園長先生が僕に?
そりゃまぁ、ややこしい奴(僕)を受け入れてくれたんだ、言っておきたい事もあるだろう。
「わかりました。それで学園長室はどこなんですか?」
僕は新入生だ。
学園長室の場所なんてわかるはずがない。
来てくと言われたのならば、場所は聞いているはずと思い、社長に聞いた。
「………………学校の中よ」
「おい」
「知らないわよ! 向こうがそれだけ言って切ったんだから! 探せば見つかるわよ」
「おい」
「あ、いっけない。会議の時間だわ。それじゃユウ頑張ってね! 後、今日の歌番組生放送だから、絶対遅れないでね! じゃっ!」
ツー… ツー… ツー… ツー…………
おいおいおいおいおい
おいっ!!!
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