0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
この日の降水確立は0パーセント、雲一つ無く、到底、雨男の上山の力だって及ばない晴天であった。
外はつい居眠りしてしまいたくなるほどポカポカしていて、時折、気持ち良い風が辺りを吹き抜けていた。
こんな時は決まって上山は外でこそっと趣味の小説を書くのが大体の行動パターンで、休憩時間になり、すばやく昼食をすませた上山は外に出た。
音楽を聴きながら外の風や雰囲気を楽しみ、校舎の中庭の一番右隅のベンチで思い思いの小説のシナリオを考え、書くのを楽しんだりしている。
この時、上山が聞く音楽はロック系だったり、バラード系だったりするらしい。
激しい場面はロックで、しっとりと悲しさを込めて書きたい時はバラードを聞いて書き進めるそうな。
ただ、あまりメジャーなのは好んで聞かないらしい。
という無駄な上山情報の補足から5分が経過してしまい、上山はすっかりのめり込む様に集中して小説を書いていた。
ところで、そんな彼の行動パターンをよく知る女の子が2人いる。
1人目は上山の幼馴染。
―――2人目は・・・・。
今、その女の子がコツコツと上山のいる中庭のベンチに近づいている。
しかもなんたることか、その女子が中庭に近づくにつれ、晴天だった青空に黒い雲が発生し、一雨来そうな状況に発展している・・・。
最初のコメントを投稿しよう!