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「ああ、だからのりは帰宅するやいなや慌ててシャワー浴びにいったんだな」 「うん、さすがにべたべたで気持ち悪かったし。ごめんね、晩ご飯食べる時間ちょっと遅れちゃったね」 「いや、そんなに慌ててシャワー浴びるからそんなにエッチしたいのかと思ってさ」  ばっかじゃないの、と慌てて拒否する言葉を発したが二文字目あたりにはもう口を塞がれていた。翔くんの舌はとても甘い。甘い、チェリーの香り。彼の右手はもう私の下着の中に到達している。 「翔くん、さすが、に、濡れて、は、ない、よ」 「あー、やっぱり?じゃあ俺の舐めてくれる?」  男性というものは自分の性器を出すことに恥ずかしさを覚えないのだろうか。翔くん意外の男性と行為に及んだことはないから、よくわからないけれど。私は未だに行為に及ぶときは出来れば電気を消して真っ暗にしてほしい。けれど翔くんはそんなもの気にしないし、見たいという。 「あー…おまえほんといつまでたってもうまくなんねえなあ」 「頑張ってるんだから、そんなこといわないでよ」  ふぅ、という翔くんの溜め息とともにお互いのポジションは逆になり、翔くんは私の中に入ってこようとした。 「翔くん、翔、くん。ゴム、つけてないよ」 「別にいいじゃん。子供なんてできやしないよ、できたら結婚するし」 「結婚は、まだ、はやいよ」 「そーかよ」  怪訝な顔をした翔くんはテーブルの上にあった財布からコンドームを出して素早く装着し、少し濡れただけの私の中に入ってくる。痛い、と吐く息とともに伝えたって彼は止めない。きっとセックスなんてこんなもんなだなあ、と天井を見ながら私は揺れる身体に不思議な感情をおぼえつつ、はやく終わらないかなと考えていた。
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