流れ星の伝説

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鳴り止まない拍手と大歓声に答えるように 頭の地球儀がひとりでに回りだす。 『カチッ』 地球儀が発したスイッチにも似た音が 大歓声にかき消された。 と同時に 客席のあちこちから、悲鳴や絶叫が起こった。 マイクを取り落とした女性司会者が、青ざめた顔で場に崩れ落ちている。 ふと客席を見やれば、仲間達の中の誰かが、股間を抑えて震えていた。 漏らすほど興奮したのか。分からんでもないぞうん。 しかし、その全ての光景が 何故かまるで、天井から見下ろしているように目に映る。 気付けばオレは、世界の中心で 自身の華麗なる人生の舞台を見下ろしていた。 どうやらオレの栄光を疎ましく思う輩に、まんまとしてやられたらしい。 無惨な頭部を晒して転がる、在りし日のオレの身体が舞台を紅に染めていた。 自分の透き通った手のひらをスポットライトにかざす。 これじゃπ乙に触るコトもできんじゃないか。 チッ仕方ない。 次は、あの世の中心でも目指してやるさ。 ~Fin~
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