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ステージも無事終了し、オレは慣れない衣装を纏いながらステージを後にする。
首もとのかき揚げ部分で腹ごなしをしながら
ふと、異様な熱視線を感じて振り返った。
π乙…だと…!?
オレの視界を占拠するソレは
あろうことか言葉を発したのだ。
『あの…前世からファンでしたっ
サインと…何か私にメッセージ書いてくださいっ』
けしからん。実にけしからん。
なんたるデカさだろうか。しかもしゃべるとは、いくらπ乙とて許し難い。
オレはしゃべるπ乙を黙らすべく油性マジックをひったくると
π乙の顔面に直に書き殴ってやった。
『愛されキャラなんて所詮ただのデレキャラだ覚えとけ』と。
π乙星人は「ずっきゅんっっ」と意味不明な擬音を発して、その場に崩れ落ちた。
悪いな。
しゃべるπ乙に知り合いはいない。
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