3人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ、思い出したら走りたくなったじゃねえか、よっ!」
予選での自身の不甲斐なさを思い出した真司は内にくすぶっていた火を揺り動かし、アパートへと走り出した。
~~~~~~~~~~~~~~~
「た、ただいま。」
アパートに着いた真司はそのまま床に倒れ込む。ヒンヤリとしたフローリングの床が、走ったことでほてった体をゆっくりと冷してくれる。
「シャワーでも浴びるか。」
べたつく制服を脱ぎ洗濯機にほうり込む、ふと横を見ると洗面所の鏡に自分のパンイチの姿が映りこんだ。
短くカットされた髪に、切れ長の目、そして三年間部活で鍛えた筋肉質な体、三日前の夜に見た自分がそこにはあった。
真司は鏡に映った自分に笑顔を向けた。パンイチで微笑むその姿は目の前に他人がいたなら、変態にも見えたがここはアパートでその心配はない。
最初のコメントを投稿しよう!