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王は頭を悩ませてた。王国より北にある森。その奥に魔女が暮らしているからだ。魔女がいる、それだけで国の評判は下がってしまう。
これまで、幾度となく討伐隊を派遣しては魔女を退治させようとしてきた。だが、誰一人として魔女を退治することはできなかった。いったい、どんな魔法を使われたというのだろうか。
誰もが今後の対策の為に知りたがっていたが、戻ってきた兵士達は誰一人として妙な顔をして、魔女に何をされた語ろうとしなかった。
「父上。この国を困らせている魔女がいると聞きました」
やがて、魔女の噂は王の一人息子である王子の耳にも届いた。王子は若くして、幾つもの戦場で成果を上げ続けていつ王国きっての英雄でもあった。
「確かに、この国は長いこと、魔女の存在で悩まされ続けてきた。幾度となく討伐隊を派遣するも誰も魔女を退治することはできなかった」
「はい。皆、魔女の森で何があったのか頑なに口を閉じ、語ろうとしません」
「そうだ。だだでさえ、国民の間に不安はある。それでも、何とか平穏を保ってきた。しかし、魔女が存在し続けている以上は本当の意味で平穏を得ることはできない」
「父上。その魔女の件。私に任せてもらえませんか?」
「何?お前がか?」
「はい。私には、父上より学んだ知識と剣術があります。数名の兵士でも預けていただければ、きっと魔女を退治することができるでしょう」
王子からの申し入れに王は悩んだ。大事な跡継ぎである。しかし、王子は気宇壮大な性格であった。魔女がどんなに恐ろしい存在であるかを語ったところで、怖じ気づくはずがない。
悩んだ末、王は王子の申し入れを受け入れ、王子と共に魔女を退治しに向かう者を募った。何人かの兵士が名乗りをあげ、王子と共に討伐隊を結成し、魔女が住む北の森へと向かうことになった。
ガチャガチャと重い鎧の音を上げながら、森の中を進む討伐隊。やがて、彼らは森の奥へと辿り着いた。そこは、噂に聞いた通り古城があった。そこに魔女が住んでいる。
「ここに幾度となく討伐隊は攻め込み、返り討ちにあってきたのか。怪しげな術で狂わされたか」
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