81~90話

15/17
前へ
/177ページ
次へ
そして、姿は見えないのに、 足音と、そして土に付く足跡が、 少しずつ彼女たちの元へ近づいてきます。 震える彼女たちの耳に、 少し離れた所から、足音とはまた別の声が聞こえてきました。 「あったよー!」 嬉しそうに言うその声は、 あまりものの少女の物でした。 足音にも、足跡にも気づかずに、 少女は、友達の元へと駆け寄ります。 その手元には最後の石が。 全員が集まると、 足音は、遠ざかっていきます。 そして少女たちの目には、 廃墟へと帰っていく、軍人らしき人影が。 全員、どうやら霊感がついたようでした。 そんな感じの事が、 それからも、その前にもいくつかあって、 少女は自分で思うよりも、周りに頼りにされていたのです。 だけどそれに気が付かないから、 少女はいつまでも、自分をあまりものだと思っているんです。 だからいつも、周りの人の為に何かをしようと思ってる。 それが自分や、関係の無い人を巻き込んだとしても。 だから少女の周りには、 『あまりにも』な子だと、 そう思う人も、いるそうです。 だから早く、気がつかないかな? ふーっ 89本目の蝋燭が消えました。
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

135人が本棚に入れています
本棚に追加