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会って話を聞いても、目新しい事はなく、やはり掲載は無理だろうと言うのが本音だった。ただこの菊子さん、まだネタを持ってそうな気がするので水を向けて見ると、
「若い頃は、そこそこ合ったわよ」とケラケラと笑い出した。その笑顔はいい意味で年相応で、先ほどの体験を話している様子とは別人の様に感じてその事にちょっとゾッとした。兎に角印象がコロコロと変わる。
「ご近所トラブルの内容は?」
と聞くと
「おかげさまで、ご近所の極悪人になってます。内容は誰が聞いてるか解らないから言えない。ただ、その怒鳴り込みが無ければ今回の事は無かったと思うわ」
周りでは、関西風の喋り方でそれぞれが話をしている中で、最後まで関東風のイントネーションで話していた菊子さん。付き合う人も居ない生活の寂しさが出た一種のヒステリー状態だったかも知れない。
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