菊子さんの話

6/6

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 菊子さんと会って三日後。東京に帰った私は菊子さんの若い頃にそこそこ有った話を投稿して貰おうと、お礼を兼ねて電話した。  自分の中では没ネタ決定だったが、社交儀礼で水を向けて見る。 「所でその後何かありましたか?」 「…実は…」  菊子さんによると、私とあった後、又白昼夢を見たのだだと言う。今度は、犬に押さえつけられている小さな動物。その後、また神様の名前が浮かんだ。今回もその神様が祀ってある神社を検索しご主人に連れて行って貰ったそうだ。 「パワースポット巡りよ~。最近エネルギー不足だからね」  ご主人にはそう伝えたらしい。帰宅すると、家周辺が騒がしいと言うか、封鎖されていてたどり着けない。ほどなく 「もう消火したので、大丈夫ですよ」と封鎖は解かれた。火事になったのは、菊子さん家とトラブルのあった家だった。 「住宅地でね、密集してるのに、燃えたのはその一軒だけだったのよ。庭に居た家の犬も無事だったわ」  偶然だろうと思おうとしたが、ビッシリと鳥肌が立っている。 「それで、これはついさっき聞いたんだけど…」  トラブルから近所の人に避けられているように感じて(実際は不明)誰とも話さなかった菊子さんに話掛けて来た人がいた。日頃使う道路が別なので会ったこと無かったがその人も同じ人とトラブルになったらしい。 「その人は、猫が庭に入ってくるって理由だったみたい」 「菊子さんの所は?」 「家は、犬が動くと砂埃が立ってフェンスが汚れるだったわよ。まあ、人の考えはそれぞれだから、フェンスを大事にする人なんだろうと思うんだけど、それで、三十分以上玄関先で怒鳴られたのよね」  同じようなトラブルにあった人の話だと、その家のご主人が倒れ意識が戻らない状態だと言う。意識が戻っても障害が残るだろうと。奥さんは元の土地に家を建てるのは止めて息子夫婦と同居する事に決めたらしい。 「こまいことで、大騒ぎして嫌がらせするからバチあたったんやわ」  最後のその人の言葉でゾッとしたと菊子さんは言った。私は鳥肌が一向に収まらなかった。  偶然なのかどうなのか、ただ今回サイトにこの話をアップする気になったのは、本当に火事があったのか確かめる為に地方のニュースを検索していた際に見つけた小さな記事。 【焼け跡の地中から動物の骨らしきものが多数】
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加