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「あっ、今日はその噂の彼氏と会うのよ♪
湊-ミナト-って言うんだけど…
可愛くて可愛くて♪」
なにかを思い出してるらしく
頬を赤らめていた。
チロチロリーン…♪
着信音が鳴った。
「あっ、湊からだ♪」
素早くみっちゃんは、ケータイを操作し始める。
私は興味ないと言うような素振りでグラウンドを見た。
グラウンドでは、今から体育の授業をするであろう
生徒たちがグラウンドに集まっていた。
「湊から今から会えない?ってメール来ちゃった~
これ行くしかないでしょ~♪」
「まだ、授業残ってるよ?」
無駄な質問だと思ったが質問してみる。
「私が授業を休むなんていつものことじゃない♪」
みっちゃんはその湊って言う彼氏のために授業を
休むなんて珍しくもないことだった。
高校なのに出席日数どうなってるの?と思うかもしれないが…
一応、みっちゃんはこの学校の理事長の
一人娘。
娘が可愛くて可愛くて仕方がないのだ。
私は苦笑いでみっちゃんを見た。
みっちゃんはそれに気づいてないみたいで
にこにこしていた。
「じゃぁ、行ってくるわね♪
授業のノート取っておいて!!
お願い!!」
可愛い顔でお願いしてくるみっちゃん。
私が男だったら、あとみっちゃんの性格を
知らなかったらこのお願い事を素直に受け取っていただろう。
でも、結局これもいつものこと…
「いいわよ
その代わり、後でなんか奢りなさいよ?」
「わかってるって♪」
ありがとっと言うようにみっちゃんは
にこにこしていた。
奢るくらいだったらなんてことない、そんな顔していた。
みっちゃんは金銭感覚が可笑しい。
でも、一人娘だけあって借りがあれば借りを返す
金銭感覚が可笑しいっていうのもあるけど…
それなりのことはわかっているらしく…
そこら辺のナルシストとは少し違う気がしていた。
だからこそ、完全に憎めないっていうのもある。
教室からみっちゃんが出ていった後、
もくもくと、考えていたとき…
1つの疑問にたどり着いた。
そんな、男好きなみっちゃんを
夢中にさせる湊っていう男
どんな人だろう?
昔、どっかの社長子息と付き合っていたときがあって
その時は、そうとうな遊び人だったみっちゃんは
遊び飽きて適当にその男を捨ててしまった。
そんなみっちゃんを夢中にさせる男。
気になる。
「百合ちゃん?ちょっといいかな…」
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