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「あら、百合ちゃんが私の誘いを断るなんて珍しいわね~」 しかし、言葉とは裏腹に… さっきまであれほど彼氏のことを 満足そうに自慢していたのに 今は私のことを見て寂しそうにしている みっちゃんがいた。 「明日は彼氏とデートでしょ? プリ撮ったら見せてね? みっちゃんのことだからキスもまだでしょ~?」 私はわざとらしくニヤニヤしてみっちゃんの顔をじっと見つめた。 まぁ、まだキスしてないのは焦らすだけ焦らしてるのか、恥ずかしくてできないかだ。 「ま…ぁ、百合ちゃんの態度次第で考えてあげなくもないよ?」 いつもなら待ってましたと言わんばかりににっこりしながら私の顔を覗き込んでくるのだが… 今日は一拍空いて言葉が返ってきた。 どうも、恥ずかしくてできないらしい。 言っておくけど、 この感情感覚においてはみっちゃんは 無自覚。 __私がみっちゃんを嫌いになれない ひとつの理由かもしれない…かな? ………嫌いになれない…か。 そういう考えが浮かんだときに フッと心のなかで自分を笑ってしまった。 __嫌いになれないじゃなくて 元々嫌いじゃないのかも… なんてね。 そんな単純なわけない。 「そうそう湊はギャル系の濃い服じゃなくて シンプルたでもなくてロリでもない 中間が好きなんだって~ どんな服が似合うと思う?」 みっちゃんは期限が良いのか、うきうきと 私に話しかけてきた。 しかし、私の意識はどこか遠いところに飛ばしていた。 「ねぇ、聞いてるの~ 百合ちゃん!!」 不貞腐れた子供のように、みっちゃんは 聞いてくる。 「えっ!?あぁ… え~とね~ みっちゃんはどんな服でも似合うよ でも、私から見てみっちゃん似合いそうな服はね~ 初夏は過ぎたから…ワンピースとかでいいんじゃない?」 「ちょっとちゃんとしてよ!! 明日は私の大事なデートの日なんだから!」 適当に率直に考えて言ったのは良いものの… みっちゃんにため息をつかれた。 「…にしても、百合ちゃんは人が話してるのに意識を飛ばし過ぎ!! 私が言うんだから相当よ?」 相当… …そういうことにしておこう… 「そんなことはないよ 私は唯、ちゃんとみっちゃんのことについて考えてあげてただけ~」 みっちゃんは眉間に皺を寄せていた。 そりゃ、絶対ないよって顔で。
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