私が死んだ日

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バシャッ。 「キャハハッ!ウケるー!」 「やーだ、こんなに濡れて、どうしたんですかぁ~?」 「プハッ!エミ、それバケツ持って言う事じゃないって~」 「はははっ!ほら、バケツ早くしまえってー。五月蝿いのがくるからさー」 「ハイハーイ。さっさと行こー!」 バタバタバタ……。 ポトリ。 私の髪から、滴が落ちる。 女子トイレの床に。 トイレの個室から出てくるのを待ち伏せていたようで、ドアを開けた瞬間、水をぶっかけられた。 何時も私の事を苛めてくるクラスメイトの4人組。 本当、よくやるもんだ。 私の後をつけ回して、ストーカーか、って言いたい。 ってか、どうすんの、これ? こんなにびしょ濡れじゃあ、トイレから出られやしない。 困って立ち尽くしていると、通りかかった音楽の鈴木先生が、私に気付いた。 「原島さん?授業始まりますよ!そんな所で何を……!」 私に注意しようとトイレに入って来た先生は、私がずぶ濡れなのを見ると、慌て出した。 「なっ、誰がこんな事!?ちょっと待ってなさい!」 そう言って携帯電話を取り出す。 ……先生は携帯電話使うんだ。 生徒には禁止してるのにね。
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