私が死んだ日

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滴が垂れない程度に拭かれ、保健室に連れて行かれる。 教室は反対側。 私のジャージ、取りに行かせてー。 濡れたままで寒くなってきた私は、切実にそう思う。 大人しく付いて行くけども。 着替えは有るんだろうし。 ただ、洗って返さなくちゃいけないとか、面倒だから。 保健室に着くと、既に連絡済みだったらしく担任の平井先生が私の体育着袋を持って来ていた。 お、ラッキー! 「原島っ!おまえっ……」 「平井先生、原島さんのジャージ、ありがとうございます。着替えますから暫く出ていてくださいね」 駆け寄って来た担任を手で制して袋を受け取り、追い出しに掛かる保健の先生。 名前……何だったかな? 「しかしっ!」 「早く着替えないと風邪を引いてしまいます。平井先生は女生徒の着替えを覗くおつもりですか?話は着替えの後でお願いします」 食い下がる担任に、毅然とした態度で保健室のドアを指差す。 目が、とっとと出て行け!と言っているのは気のせいじゃないな。 「……わかりました」 諦めて廊下に出る担任。 それを見送って、ドアに鍵を掛ける。 「山代先生?」 その行為を不思議に思った鈴木先生が、首を傾げる。
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