私が死んだ日

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「時々、平井先生に着替えを覗かれたと相談を受けるので。偶然を装っている様で、校長から注意を受けても、態とじゃ無いですが気を付けます、って言って終わりだそうですが……」 うわー。 覗きとか、捕まれば良いのに。 この学校、先生方もバレバレの嘘が罷り通っちゃうんだねー。 笑える。 って言うか、私も覗かれる所だったと? 「さ、原島さん、こっちで着替えて」 奥のベッドのカーテンを開き、保健の……山代先生が手招きする。 幸い、冬の制服だったから、下着までは濡れずに済んだ。 水を吸って重くなったブレザーやスカートを脱ぎ、ジャージズボンを履き、首元だけ濡れたブラウスも脱ぎ、半袖Tシャツとジャージ上着を着る。 肩までの髪を手櫛で整え、カーテンを開けて出れば、鈴木先生に促されて椅子に座らされる。 山代先生がびしょ濡れの制服を、何故か保健室に有る洗濯乾燥機に放り込み、温かいココアを淹れてくれた。 「平井先生が聞く前に聞きます。誰にやられたの?」 山代先生が小声で聞いてくる。 それに黙っていれば、誰にも言わないから、と言う。 ……嘘ばっかり。 「何時もの人達だと言えば平井先生が知ってます」 もう言っちゃっても良いよね。 言っちゃえ。 「「えっ?」」
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