私が死んだ日

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「こういう事をされるのは私が悪いそうです」 以前、平井先生にそう言われた、と言えば。 「……平井先生には相談をしていたのね?」 険しい顔で保健室のドアを見る。 「いえ、ゴミ箱に荷物捨てられるのを見てたそうで、事情を聴かれたので」 「全く、黒岩先生といい、平井先生といい、何を考えているのかしら」 山代先生が怒った様に言えば、鈴木先生も、ウンウンと頷いている。 黒岩先生は隣のクラスの、自殺した影山君の担任。 影山君が相談をしていたのに、見て見ぬふりをしていた人。 私と影山君は、クラスこそ違えど同じ境遇な為、人目につかない所でよく話をした。 と言うか懐かれた。 彼は私とは違って、本当に繊細で綺麗な心の持ち主で、何時壊れてしまうのだろうと、ヒヤヒヤしていた。 が。 耐えきれなくなって、とうとう自殺してしまったんだ。 私にも何も言わず。 1人で死ぬのは怖いって言っていたのにな。 私は自殺なんかしない、と言った事がかなりショックだったらしい。 でも、私を残して逝く事の罪悪感もあった様で、遺書には私の事も書いてあった、と、私に事情を聞きに来た刑事さんが言っていた。
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