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ああ、もう、そんな風に空気を変えるなんて流石はスオウだよ。
「ゴメンゴメン、魔王はよろしく」
スオウにそう言うと、もう酷いなー、と笑いながら頷いてくれた。
「シェリー、友達でいてくれて有り難う。ハクと幸せにね?ハクはシェリーを守ってね。後、シスイをお願い。あ、クレルもシスイをよろしくね?再会できて良かった。ミリヤ、仲良くなれて楽しかったよ。シスイ、離れても大好きなお兄ちゃんに変わりは無いんだ。だからもっと自信を持って。皆をお願い。皆は頑張って生き残ってね」
皆が呆然として黙ったままの内に、そこまで一気に言って、深呼吸。
ハッとした皆が騒ぎ始める前に口を開く。
「それから、リョク」
名を呼ぶと、緑の精霊が姿を現す。
「なんなの?」
リョクの声が震える。
何を言われるか、予想がついてるんだね。
「契約を解除して欲しい。今まで有り難うね」
そっと手を伸ばせば、リョクが擦り寄ってくる。
「リョクはコウの側にいたいなの」
首を横に振って拒否するリョク。
「ゴメン、リョクは無理なんだ。このままだとリョクが消えちゃうから」
それだけ言うと顔を青くして震えた。
「それはコウがこの世界から消えるって事?」
「ん」
「そんな……どうして……」
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