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「やらなきゃいけない事が有るんだよ。だからサヨナラ。リョクと一緒に居られて楽しかったよ、有り難うね」
リョクは涙をポロポロ流しながら、嫌なの、と駄々を捏ねる。
仕方が無いのでリョクには全てを説明する事に。
だけど皆の前で私が説明をする訳にはいかないから、代わりに説得して貰おうとアルフを呼ぶ。
「どうしました?って……何です?この空気」
修行中だったのか、うっすら汗をかいたアルフが現れて戸惑っている。
「皆にお別れを言ってたんだ。自分が何者なのか思い出したから」
アルフにだけ聞こえる様にそう言うと、何が起こっているのか理解した様でアルフも青くなった。
「それは……ああ、本当なのですね」
私の目を見て確信し悲し気な瞳を揺らしたアルフに、リョクとの契約を解除するから説得をお願い、と頼めば、わかりました、とリョクと共に姿を消した。
「アルフは良いのか?解約しなくて」
父さんは、目が潤んでいるが何時もと変わらない調子で私に尋ねる。
それに頷いて簡単に説明をする。
「リョクはこの世界の精霊で、此処でしか生きられない。けど、アルフは天界の者だから私の生死には関係無いんだ。解約しない方がアルフは降りて来られるから、色々と都合が良い」
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