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小さな頃からこの顔には弱かったなぁ、なんて心の中で苦笑いしながら、真面目な顔でシスイに伝える。
「紫翠、寿命以外では死なないでね。寿命で死んだらまた会おう。約束」
そう言うと、シスイも真面目な顔で頷いた。
これでシスイが自分で命を捨てる事は無いかな、と安堵する。
双子で生まれたのだから、コウセイアとも深く関わりの有る者なんだろうと思う。
それなら死後は輪廻から外れるだろう。
「平和になっても修行するのを忘れないでね」
そう言えば笑われた。
「それが死後に会える条件か。頑張るよ」
「俺も、寿命以外では死なない様にすれば、後、修行を続ければコウとまた会える?」
シスイと反対側で、ジークが腕を掴んだのとは反対の手で私の手を握りながら尋ねる。
「ん、それならまた会えると思う」
そう返せばジークは、わかった、と私の腕を引いてキスをした。
「頑張るよ。だから待っててね」
悲し気に微笑むジークに頷くとジークは腕を離してくれた。
その瞬間、ジークと誰かの面影が重なる。
懐かしい、大切な誰か。
誰だろう?
でもそれ以上は思い出せず、そのままシスイと部屋を出た。
するとシスイの部屋まで引っ張られて、部屋に押し込まれる。
「顔色が悪い。少し休んでから行こう」
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