第六章 ソマリア沖の咆哮

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―――――――― 1942年4月22日 ソマリア半島南南東55浬 「無事にアフリカへ着けそうですね。」 英BSー168船団に所属する英国商船(スターライト)ブリッジで、航海長が船長に話し掛けた。 「あぁ、希望岬沖で嵐に巻き込まれた時には船団からの離脱すら考えたからな。」 「明日、乃至明後日にはソコトラ島の哨戒圏に入れるでしょう、そうなれば任務は終わった様なものですね。」 「うむ、とっとと終らせて帰りたいもんだ。」 陽気な雰囲気の《スターライト》ブリッジ。 彼等は知らない、自分達のすぐそばまで悪魔の手が迫っていることを……。
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