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「何で魔法が使えなくなってるのよ? 私たちは魔封龍のガスなんて浴びてないのに!!」
「ちょ…痛いからやめてくれ…」
自分でも魔法を唱えてみたらしいが不発だったため焦っておっさんに当たっている。
どうやら周りの酒飲みもざわざわしているところから見て同様のことを行ったらしい。
「と、とりあえず僕には関係なさそうなので帰っていいですか?」
このままいると巻き込まれそうだし…言うと同時にドアに向かったが…
ガシッ
「ど・こ・に向かうのかな?」
受付さんに捕まってしまった…うぅ残念。
「まぁ…あなたにどうにかできるものでもないでしょうしとりあえずこのことを報告しておいてちょうだい」
「ああ、わかった…では」
受付さんの言葉におっさんはどうやらこのことを国に報告しに行ったらしい。
まぁ街の大部分で魔法使えないんだししょうがないけど…というか僕を残して何の意味があるんだろう…帰りたい。
「もう…本当のこと言いなさい!! 魔封龍倒したのあなたでしょ?」
「へ? なんでそうなるんですか?」
意味がさっぱり分からない。確かにきっかけは僕だが他から見れば魔力量8の僕が倒したなんて思わないはず…
もしかして…
「だって君はあの二人の弟なんでしょ? 隠していて実は強い!!みたいな設定無いの?」
「ないですよ…本当に僕は倒してません 詳しくは姉さんに聞いてください…では」
僕は返答を聞かずに帰ることにした…なんでかって? 起きたときの姉さんが怖いんですよ…何言われるかわからないし、それに力使ったの大勢の前で言いたくないし。
「姉さん…置いて行ってごめんなさい「大丈夫ですよ後ろにいますから」きゃあ?」
そ、そんな…いるはずがないと思って後ろを向く。…やはり僕の後ろでにっこり微笑んでいるのは姉さんだった。
全く怒ってなさそうに見えるのは隠してるんですよねきっと…
「もう…街は悪い人がいて危ないんですから私を置いて先に行っては駄目ですよ?」
「あれ…怒ってないの姉さん? 僕姉さんを置いて行ったのに…」
その言葉に姉さんは表情を変えず…
「怒ってますよ?」
とだけ答えた…怖?
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