君と出会った日。

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「・・・今日こそ!」 私、咲音瑠衣は小さい頃から重い病気と診断され この病院から外に出たことかないのだ。 そして、今日。 私は外に出る決心をする。 「お母さんにバレたら、きっと 怒るだろうな・・・」 心配してるからこそ、怒るであろう母のことを 少し気にかけつつも。 私は外への興味で心はいっぱいだった。 今年で私も、15歳。 一度も外に出ないまんまっていうのは、 やっぱり嫌である。 「麻衣さんに見つかんないようにしないとね」 麻衣さんとは、私を担当している看護師さん。 多少の悪さは見逃してくれるものの、 外に出ることなんて絶対に許してくれない。 これは私だけしか知らないんだから! 人ごみに紛れて、初めて私は。 病院の外に出た。 「・・・ここが、外」 感嘆のあまり、立ち尽くしてしまう。 病院の中にある庭園には何度か、行ったことがある。 でも、そことは比較にならないほど。 外の世界は広かった。 普通の女の子のように。 オシャレして、恋もして・・・。 そんな風に考えていると、後ろから声が聞こえてきた。 「瑠衣ちゃーん!」 麻衣さんの声だ。 病室に私がいないから、一応外にまで見に来たんだろう。 ここで見つかったら、すべてが水の泡。 ここは、逃げるが勝ちです!
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