鳴り止まない雷

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色々と小さいと自分で言った後に、えみるさんは大きなため息を吐いた。 自分のコンプレックスを自虐ネタにして落ち込んだのかな。 確かに年下に見えたよ。 そこは否定しない。 でもーーー。 「えみるさんって、こうして話すと誰よりも大人びてますよね。雰囲気も落ち着いてますし。オフ会のイメージと違い過ぎて、今でも別人じゃないかと疑ってるくらいですよ」 確かにえみるさんは小さい。 見た目だけで判断すれば子供っぽい。 でも、いざ繋がりを持つと彼女はとても落ち着いていて、常に何かを考えて行動をしている。 そして、放つ言葉にも重みと想いが伝わる。 その言葉の重みと想いは、これまでにえみるさんが沢山の苦労を重ねてきた事を意味していた。 「…ゆめゆきさん。それは褒め言葉として受け取っても良いんですか」 「…褒め言葉じゃないかな」 「じゃあ悪口ですか?」 いや、なんでそうなる。 「俺の本音です」 「…本音?それはどう捉えれば良いんですかね?」 どう捉えるか、ね。 というか、どう捉えるかは本人達次第。 俺が決める事なんかできないよ。
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