止まった時間

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なんて冗談はここまでにしておいて。 「ところで紫、今暇か?」 「なんだよ」 「遊びに行こうぜ」 「何処に?」 「東京」 「……は?」 「更に細かく言えば代々木公園」 「なんで?」 「細かいことは気にすんな。気晴らしだよ。デートだデート」 「……すぐ準備する」 「お、おう」 最初は乗り気じゃなかったっぽかったけど、代々木公園行くって言ったら即答したんだけど。 え、なに、そんなに代々木公園行ってみたかったの? 最初は適当に買い物するんだけど。 ……まぁいいか。 「何かいつもと雰囲気違うな」 「あたしがか?」 「そうそう。お洒落とかするんだな」 「あたしだって女だ」 「はいはい、そうでしたね」 乗り換えを含め、電車に揺られること数十分。 原宿に到着した俺と紫は闊歩する人の多さに少しだけ驚いていた。
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