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オフ会に参加するのも俺の主な趣味の一つだ。
趣味の話ができる友達が少ない俺にとって、ここはまさに天国とも言える場所だ。
全員が同じ趣味で盛り上がり、語り合い、笑いあう。
初めてオフ会に参加したときはガチガチに緊張したよ。
でも、話してたら自然と溶け込めた。
自然と話の輪に入っていた。
それはきっと、皆が同じ趣味を持っていてくれたからだ。
それがきっかけだった、オフ会に参加するようになったのは。
「さあ、今日も語りましょうぞゆめゆき殿w」
「話のネタはたくさん用意しましたぜw」
オフ会も終わり、空が黒く染まり始める。
目元まで垂れ下がった前髪を気にもせず、えみるさんは空を見上げた。
「私はそろそろ帰らなければいけないので」
「お、いつも最後まで残ってるのに珍しいですな」
「ちょっと野暮用がありましてw」
ドデカイ黒縁眼鏡のフレームを指先で撫で、えみるさんは手提げバックを肩に掛けた。
「どこの駅まで行くんです?」
「私は赤羽で降りるんですよ」
「なら丁度良かった。俺も赤羽駅は通り過ぎるんで、良かったら途中まで一緒に帰りましょうか」
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