鳴り止まない雷

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「その質問の答えは無いですよ。褒め言葉は上辺でも相手を良く思う言葉。悪口はそう思っていなくても相手を悪く思う言葉。でも、本音だけはどちらとも言えない。本音は、それを言われた本人がどう思うかでどちらにも傾きますから」 今えみるさんに言った事だってそうだ。 オフ会の時とは別人みたいーーーこの言葉に対して“いつもと違って猫の皮を被ってるみたい”と思われればそれは悪口になる。 でも、これをえみるさんが“いつもと違った一面が見れて新鮮だった”と思ってくれれば、それは褒め言葉にもなる。 悪口と思われて嫌われ様が、俺はいつだって褒めもしないし、悪口も言わない。 まぁ、香織とかにムカついた時もあったけどさ。 それでも、言いたい事は言う様にしている。 相手に少しでも良くなってもらうのなら、それは褒める事でも悪く言う事でもなく、ありのままの自分の想いをぶつける事。 ちなみにこれは観ていたアニメからの引用だから、これは口が裂けても言えません。 「なるほど、そういう考えを持っている。だからゆめゆきさんは優しいんですね」 どの話の流れからそうなったの? 「分かりました。それは褒め言葉でも悪口とも捉えず、ゆめゆきさんの本音として捉えますね」 「…一番曖昧な答えが帰ってきたんだけど」 「どうですかね。これをどう捉えるかはゆめゆきさん次第ですよ♪」 オウム返しかい。 まぁ、悪い気は全く無いから大丈夫だけどさ。
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