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それは相手も良くわかっているだろう。
オタク兄貴のせいで自分の貴重な労力を失うわけにいかない――――と思っているに違いない。
あながち間違えではないよ。
妹はそのまま俺をスルーし、冷蔵庫からプリンを取り出すと一言も喋らずに再び部屋へと戻って行った。
――――味噌汁がグツグツと音を立てて沸いている。
「はあ………」
何故か自然とため息がこぼれてしまった。
「いいねえ、可愛いよメグたんw」
俺は飯を食った後、貯まったアニメの消化作業に移っていた。
これを観た後は最近買ったばかりの美少女ゲームをやる予定であったが、やっぱりそううまく事は運ばない様である。
コンコン――――と、扉が二回ノックされる。
そして俺が返事を返す間もなく――――
「ねえ、牛乳無いんだけど」
そう言われた。
「は?牛乳?さっき俺が全部飲んだけど」
「はあ…無くなったんなら買ってきなさいよ。どうして後の人の事が考えられないわけあんたは?これだからオタクは」
「うるせえな、買ってくれば良いんだろ」
「すぐに使うからダッシュね」
「わかったよ。いちいちうるせえな」
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