両親が居なくなりました

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パシリにされる兄貴はどうかと思うけど、パシリする妹もどうかと思うけどな。 ムカツクけど、ここは大人しく買いに行こう。 余計なことを言ってゲームやる時間を奪われたらたまったもんじゃない。 てか、金あったっけ。 「ありがとーございましたー」 はあ、俺の貴重なポケットマネーがあ…。 バイトのシフトもあんま入れてねえんだから給料も少ないんだって。 携帯料金払ったらパアだっつの!! だいだい、香織も高校三年なんだからアルバイトくらいしろっての。 部活だってやってねえんだから。 「なんて事思ってても何にも変わらないんだけどね…」 無力な自分自身にまた溜め息がこぼれる。 早く帰ってゲームしよ。 「ただい――――」 「一体どういう事ですか!!?」 そうして家に着くなり妹の香織が電話口で怒鳴り声を上げていた。 おい、近所迷惑だぞ。 「だから、何でお父さんとお母さんが行方不明なんですか!?」 ――――は? 行方不明?
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