第一章

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歪んだ鐘の音が 鳴り止む。 柔らかな風が流れ出す。 ノアは カルマを抱き抱え 高い時計台の上に立つ。 そっと カルマを降ろす。 『カルマ…君は 僕にとって 穢れなき存在なんだ。あの時…僕が、君の手を取ってしまったのは 間違いだったんだよ。』 いつか この間違いに カルマは 気付くだろう。 それが 僕にとって 一番 怖い事なんだ。 君が これは不正解だと告げる瞬間が…何よりも怖いんだ― 僕は忘却だから― 君の悲劇だけは 見たくない― それが 僕の答えなんだ― ―完結―
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