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なんて 失礼なヤツなんだろう。
僕が、ムスッと 膨れると 彼は ニッコリ笑った。
『そんなに 怒らなくても 良いんじゃないかな？取り敢えず 続きを話すから…ねっ？』
彼の微笑みは 優しい。
だから 僕は 彼から視線を逸らして 頷いた。
『君が居た あの時計台は 穢た記憶を蓄積する場所なんだ。全ての記憶が残る場所…。君に 何度も行くなと言っていたのは 穢た記憶以外の記憶まで 吸収してしまうからなんだ。』
どうゆう事なんだ？
少年は 首を捻った。
穢た記憶を蓄積する時計台が 何故 それ以外の記憶を吸収してしまうのだろう。
『…あの 時計台は もうずっと 狂ってしまっているんだ。』
あの時計台が 狂ってしまっているなら ここは どうなってしまうのだろう。
穢た記憶が 膨大になったら 僕達は どこへ行けば良いのだろう。
『どうにか 出来ないの？もしかして 僕の記憶も あの時計台にあるの？』
不安が募る。
何も この世界の事を知らない。
彼の事も 自分の事さえ 分からない。
答えを見付けられない。
正解か判断が出来ない。
ガラガラと 全てが 壊れていく気がした。
『あの時計台は どうにも出来ないけれど 君の記憶なら 大丈夫だよ。いつも ちゃんと取り戻せているから。』
心配しないで―
と 彼は 微笑んだ。
『うん…。』
僕は そう返事をしたけれど 不安は 拭いきれない。
本当に 大丈夫なのだろうか？
そもそも 自分は どうして ここに居るのだろう？
いつから？
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