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「あんなんが生徒会長とか笑える」
沙羅も入学式のことを思い出したようで、顔を歪めた。
「あんなんとはなんだ。王道ジャマイカwwwww」
突然背後に声が聞こえ、僕と沙羅はビクン、と肩を跳ねさせる。
「キモイ死ね」
「あらあら沙羅たん今日もツンデレっぷりがはんぱないっすわwwwww」
朝から超ハイテンションなこいつは高田寛智<タカダ カンチ>。本人曰く、腐男子である。つまり、男の絡みを見るのが大好きな奴なのだ。
日に当たると焦げ茶色の髪はボッサボサで、前髪をピンで止めている。黒縁眼鏡をかけている垂れた瞳の奥は爛々と輝いている。
こいつ前、僕と沙羅を妄想しやがったらしく、沙羅に殴られてたっけ……。
「そうそう、聞いてくだしゃいましお二人さんwwwww」
寛智は腐ヒヒヒヒ、と実に嫌な笑みを浮かべながら、こう宣言する。
「明日転校生が来るのだーーーー!!!」
「はいはい、ワロスワロス」
「ちょw歩君辛辣ぅーwwwwそこに痺れる憧れるぅーwwwww」
拳を天高く振り上げる寛智に、しっしっと冷たい言葉を振りかけるのだが、全く効果なし。恐るべし腐男子。
「この時期に不自然ジャマイカwwwwwついにこの学園にも王道がやってくるのねwwwww」
「で?何の用?」
先程の会話をぶった切った不機嫌丸出しの沙羅に怯まず、僕らに手を差し伸べる。
「一緒に王道を見に行かないか?」
と。変にイケメンボイスで。
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